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◇ セラミックス班の研究紹介

- 高硬度薄膜の切削工具への応用と次世代工作機械による航空機用材料合成技術 -

1. セラミックス薄膜の切削工具応用

概要 : 鈴木研で最も歴史のある研究で、セラミックス薄膜を切削工具にコーティングしています。セラミックス薄膜は耐酸化性や耐熱性、硬さに優れ、切削工具の性能を向上させることができます。「歴史が長い」というと古い研究のような印象を受けるかもしれませんが、国際学会でもメインテーマの1つであり、多くの研究者が今なお新たな可能性を模索し続けている、非常に奥が深いテーマです。

課題 : どんなに硬くて良い膜でも、切削時に工具から簡単に剥がれてしまっては意味がありません。そのため、セラミックス班では違う種類の膜を層状にするなどのアプローチで膜と工具との密着性を向上させることで実用化を目指し、研究を行っております。真空中で金属に放電を起こし蒸発させ作り出すセラミックス薄膜は僅か1000分の1ミリしかありません。1000分の1ミリが工具に与える大きな影響をぜひその肌で感じ取ってもらいたいと思います。

今年のテーマ (一例) :

・積層した超硬薄膜の耐酸化性および硬さの評価

・硬質薄膜(TiAlN)の積層化が硬度と密着性に及ぼす効果

2. アディティブマニュファクチャリング(AM)

概要 : 鈴木研で最も新しい研究で、アディティブマニュファクチャリング (AM) という新しい工作方法を研究しています。航空・宇宙産業の製品には、耐熱性や耐酸化性などの優れた高温特性を有する材料が使われています。しかしながら、このような材料は切削による加工は困難で、コストがかかってしまいます。そのため、金属の粉末をレーザーで溶かして積層して任意の形状に製品を作製するAMは非常に注目を浴びています。3Dプリンターをイメージすると分かりやすいと思います。定性的・定量的分析を行いながら、過酷環境に耐えうる材料の創出に取り組んでいます。

課題 : 使用する原料粉末や装置条件により強度が大きく変化します。特に、作製後に生じる空孔(すきま)や材料の異方性は強度に悪影響を及ぼします。そのため、空孔や異方性に関する解析を行いながら、強度を向上させる条件を模索しています。最終的にはジェットエンジンなどへの実用化を目指しています。粉末はどのように溶けているのか、溶けた後の粉末はどのようになっているのか、など未知な点が多いので研究しがいがあります。調べる度に新しい発見があり、ワクワクが詰まった研究だと思います。

今年のテーマ (一例) :

・アディティブマニュファクチャリング法により作製したインコネルの組織と硬さの関係

◇ セラミックス班の特徴

1. 切削工具への応用では、実際に成膜した工具の切削試験を共同研究先で行うことができます。

2. アディティブマニュファクチャリングの研究は、企業だけでなくシステムデザイン工学科の青山・柿沼研究室とも一緒にやっています。2ヶ月に1回程度の頻度で報告会をやっており、様々な視点からの意見を取り入れることができます。

3. どちらの研究も、矢上キャンパスのテクノロジーセンター棟内にある最先端の装置を使っています。

 

国際競争の中でより深い研究をしたい人、自らの手で新しい発見をしたい人は鈴木研究室のセラミックス班をお勧めします。

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